古典派シンフォニー

百花繚乱

 

エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 Orchester of the Age of Enlightenment〔啓蒙思想の時代オーケストラ〕


 古楽のオーケストラは一人の指揮者の呼びかけにより編成されるケースがほとんどですが、このオーケストラは演奏家同士の集合により結成されたという特異な成り立ちをもちます。古楽先進地イギリスにのみに可能な運営形態といえるでしょう。発足は1986年。

 このような成り立ちゆえ、特定の指揮者は置いていません。設立当初は、S.クイケンやG.レオンハルトなどの古楽のスペシャリストを指揮者に招いてバロックから古典のレパートリーを披露していましたが、1997年にロンドン・クラシカル・プレイヤーズを吸収合併してからとみに、レパートリーをロマン派にまで広げ、C.マッケラスやS.ラトルら、モダンオーケストラの指揮者を招くことが増えました。

 R.ヤーコプスやW.クリスティーなどとともにヘンデルやJ.ブロウなどのバロック声楽作品に取り組んだり、古楽系ソリストとの弾き振りモーツァルトのコンチェルトを披露するかたわら、V.ユロフスキとマーラーの「さすらう若人の歌」を演奏するなど、その活動は大胆に多岐に渡っています。モンテヴェルディからオッフェンバックまで、宗教曲からオペラまで、使用楽器も編成も共演者も幅広く対応する、もはや古楽オーケストラの範疇に収まらない、カテゴリーを否定し飛翔するオーケストラです。

 ピリオド楽器をもつことだけで真実を語るという傲慢を避け、疑問を持ち続け新しい発見を続けることを信念に、自ら解答に至ることを拒否。その一処に落ち着くことなく探求を続ける態度に協力者も多く、ヴァージン・クラシックスを始めとする大手レコード会社、ロンドン・ロイヤル・フェスティバルホール、グラインドボーン音楽祭歌劇場などと信頼関係で結ばれています。

 古楽のオーケストラが乱立したイギリスで、各楽器の名手たちは、さまざまな団体をはしごして、各々のシェフに合わせた音楽をしてゆく忙殺される日々を過ごしていました。しかし生活に安定感を欠くようななにかを感じていたのかもしれません。

 エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団のメンバーが求めた安定は、音楽にも自然に現れいて、名手たちの奏でる風格と落ち着きのあるオーケストラ演奏をそこに聴くことができます。


【エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団の写真】

(2017.12.1)

エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団の公式サイト

http://www.oae.co.uk


【関連動画】

L.v.ベートーヴェン:シンフォニー 第7番 イ長調 作品92より第4楽章

エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団、ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)☆